3日間の合宿では、本当にたくさんの
出来事がありました。
全部は書ききることができませんが、
その中でも特に・・・というのを記して
おきたいと思います。
①最悪の事態を想定して行動すべし!
先輩から後輩へ |
係やパートを中心に計画を立て、チェックを
したはずですが、やはり忘れ物が数点。
合宿だから代用はききますが、本番などでは
これがあせりとなり、大怪我のもとになって
しまいます。
また、予備弦などは必ず用意すること。実は、耐震工事の
影響で入れないところにあったというのがわかりました。
これこそ、計画性があれば防げたことですよね。
まあ、部員たちは猛反省していました。
2度とないでしょう。
②相手の立場や気持ちがわかる人物になろう!
食事係が、合掌! |
私にとっては、これが1番の収穫で
あったと思います。
実は、食事の残飯があったのです。
これに対し、食事を作ってくださって
いた方から、直接このような話をして
いただきました。
「私たちは、この職場で地産のものを使い、朝早くから食事を
作っています。みなさんに元気に食べてもらいたいと。
食べれるものを、簡単な気持ちで捨ててしまう。こういった
考えは、私たちにとっては耐えられない気持ちになります。
ぜひ、こういった考えはやめてください。」
この世の中、出てきたものが嫌いとか、多いとかで、簡単に
残してしまうことが多い。
作ってくれている人の顔が見えないことが多い。
直接言わなくてもよかったでしょう。
でも、自ら前に出て、部員たちにわかってもらおうと、
お話しをしてくださった。
本当にありがたかったです。
コントラバス練習中 |
「他人に感謝を持って演奏しよう」とか
「心に届く演奏をしよう」と言っても、
実際に体験・実践しないとわからない
ものです。
私は、部員たちに言いました。
「食堂のおばさんにとって、食事の時間は演奏会なんだよ。
みんなが元気にすべてをたべてくれるか、喜んでくれるか、
笑顔なのか・・・。それを簡単に残すというのは、私たちが
演奏会をしているときに、途中で帰られてしまうことと同じ
なんだよ。それって、すごくいやなことだよね。それをして
しまっているんだ。どういう行動をすべきなのか?」
また、こうもいいました。
「残っていたのは、少しかもしれない。1人だけだったのかも
しれない。でも、1個でも1人でも、やってしまったことは全体
ということになってしまう。
団体行動・チームというのはそういうものなんだよ。
だから、他人をよく見て、助け合うところは助け合って、
チームとして考えて、行動しなければいけない。」
合奏中! |
部員たちの姿や行動が変わったのは、
この経験を境にであったと確信します。
なにをするにも早くなり、声が出始め、
食事のお手伝いにも力が入り、なんと
音にまで変化が見え始めた。
これこそが、体験学習の究極ですね。
部員たちに大切な話をしていただいた
施設の方に感謝します。
③幹部・最上級生というのは、全体の鏡なんだ!
今回の合宿で、1番の功労者は、幹部たちでしょう。
部長・副部長はとくに行動計画
インスペクター・コンサートミストレスは練習計画
定演チームは演出計画
それぞれに就任してから1か月。
まだまだ、見よう見真似でやっている状態。
そういった中で60名もの他人を動かすことの
大変さと、計画の重要性を体感してくれたと
思います。
言うだけでは人はついてこない。
言うだけの行動と、みんなに伝える迫力と自信。
そして、言ったことができているかの確認。
これこそが、幹部という立場で、ほかの人より1段上に
あがるべき人に必要なこと。
これを、さまざまな失敗の中から学んでくれました。
運営幹部たち |
途中で、涙を流し、気持ちも落ちたことがたくさん
ありましたが、これをこの時期に体感できたことは
ものすごい収穫であったと思います。
現に、最終日の幹部たちの目つきは
真剣そのものでした。
自分たちの甘さを実感し、動かすことの怖さと
重要性を覚悟できた目だったと思います。
また、インスペクター、コンサートミストレスの考えで、
パートリーダーもまきこんだ練習計画の立案を
していました。
これも全員参加で練習をくみたてたいという自分たちの
意思が表れてきた証拠です。
高2 最上級生たち |
上級生全員が、クラブの鏡なのです。
下級生はとても上級生を見ています。
クラブの進歩は、上級生の意識の
向上に比例するのです。
全員一致で事に当たる。この意識は、きっとこれから大きな
力」になっていくでしょう。
④練習にこだわりを!
金管セクション練習 |
2日目の夜の合奏のとき。
全く音が消極的で、逃げにかかっている
様子が音から感じられました。
途中でやめて、今年のシンフォニーである、
ショスタコーヴィチの譜面をいきなり配り、
CDを聞かせました。
クラリネットパート |
譜面を見て、みたことのない高い音、
たくさんの音符、
あらゆる意味で、今とのレベルの違い・・・。
ここで、立ち止まったり逃げたりしている場合
ではない。
もっと、高い壁がみんなには待っていることを
わからせたかったのです。
また、この合宿の期間、合奏で長い時間を使ってしまう
パートがありました。
最終日には、涙を流して「パートのレッスンをしてほしい」
と、頼みに来ました。
今までにはなかったことです。
でも、すごいんですよ。
ちょっとやるだけで、みるみるうちに変わっていくんです。
トロンボーン・チューバ |
トップの人の顔つきや涙は、パート全員を
1つにして音や息遣いすら、かえてしまう
んです。
この子達は、きっとうまくなる!
そう感じさせられた瞬間でした。
⑤OGの生の声を聞け!
今回は、副顧問の先生が研修で,私1人での
引率でした。
もしかしたら体調不良者など出るかもしれない
ので、今年卒業したOG3人に、助っ人をお願い
しました。
3人の助っ人たち |
部長であったIさんをはじめ、Kさん・Mさん。
みんな、クラブを作り上げてくれた功労者
です。
彼女たちは、セクション練習をはじめとして、
毎晩のしおりチェックなど、私と一緒に夜遅く
までがんばってくれました。
ところどころで、現役生に話してくれました。
幹部たちには幹部としてやるべきことや
心構えなどを、鬼の気持ちになって伝えてくれました。
全員には、声を出すことの重要性を伝えてくれたり、
楽器の扱い方・大切にすべきことなどを、基本的に
絶対大切なことを、的確に経験者として伝えてくれま
した。
本当に、助かりました。
OGたちは、苦しかった時間を体験しています。
その子たちの言葉は、顧問の私の言葉以上の
重みを持つことがあるほど、貴重で効果があります。
合奏中もチェック! |
なにより、自分たちの失敗や成功、実際の
体験をもとに話すので、部員にとっては、
最高の教材です。
これからも、OGとの交流をなんとか増やして、
クラブを成長させる機会にしたいと思いました。
3人、ありがとうね。
合奏中! |
こんなふうに、いろいろな体験の中で、
学校で練習しているだけでは得ることが
できないものを
会得することができました。
うまくいかないところ、失敗したところ、
気づかされたところ・・・。
木管セクション練習中 |
本当にたくさんの出来事、体験でした。
しかし、この1つ1つが部員の血となり
汗となって、身についてくれて、最終日には
初日とは全く違う集団になってくれたように
思います。
4日目の昼には、学校に戻り解散。
1度解散して、夕方におこなわれる広島大学附属
中高管弦楽班の定期演奏会で、再集合です。
これがまた、合宿の最後に本当にためになる演奏会
でした。うまかった~。
みんな、合宿で得たことにプラスして、自分たちの
目指す方向が共有できたのではないかと思います。
新体制1か月というこの時期に、こういう貴重な体験を
させていただいた施設の方々、合宿に行くことに協力して
くださった保護者のみなさまに、深く感謝します。
ありがとうございました。
充実した3日間でした |
《追伸》
そうそう!
3日目の夜には、唯一のアトラクションとして
花火をしました。
楽しんでます! |
どこでやってもいいよ~といわれ・・・。
最近は、「花火、やったことない~」という子が
多いんですね。
少しの時間しかなかったけど、みんな楽しんでくれた
ようですよ。