すてきな |
合唱コンクールが終わり、午後から千代田にある
介護付有料老人ホームの「メリィハウス八千代」から
演奏のご依頼を受け、出演してきました。
千代田病院に併設されています。
とても、きれいな施設で、暖かな雰囲気の装飾のほかスタッフの方も笑顔いっぱいで、いつ来てもすばらしい
ところだなと思います。
というのも、この「メリィハウス八千代」にお邪魔するのは、
今年で4回目。
毎年、このクリスマスの時期になると、管弦楽部に演奏を
依頼してくださるのです。
まだ、部員が20名程度のときから声をかけていただいて、
管弦楽部の中では恒例の行事となっています。
このように、年齢や介護状況によって、
2回公演に分けて実施します。
中には重度の障害を持った方もおられるのですが、
本当に1時間くらい前から待っていてくださって、
本当にありがたい限りです。
2回の間に、30分の休憩があります。そこで、こちらのレストランで
作っていただいたお弁当をいただくのですが、これがおいしいと
部員には大好評なんです!伝統で、この行事に行くとご飯がおいしい!
なんていうのが、部員の中で年々伝えられているようです。(笑)
入居されている方はもちろん、そのご家族様も
一緒に聴いていただくのですが、本当に熱心に聴いてくださるのです。
30分ずつという短い時間なのですが、本当に真心をこめて演奏しようと、
前日に部員とも話し合いました。
演奏前の準備中の舞台 |
さんぽ、風の通り道、パイレーツオブカリビアンを
演奏したあと、1週間後に全国大会で演奏する
「カルメン」から3曲を選んで聴いていただきました。
毎年のとおりに、手拍子もたくさんしていただいたり、
声をあげて歌ってくださったり、本当に、心温まる応援をしていただきました。
で、2回の公演が終わり、演奏会を終了しようとしたとき、
入居者の1人の方が、どうしても話したいと施設の方に言われ、
私たちに向かって、マイクを使い、こうおっしゃいました。
「本当に遠い中を、一生懸命演奏してくださって
ありがとうございました。
私たちは普段、こんな演奏会を聞くことができません。
こんなにすてきな音楽を聞かせてくださり、本当に感謝します。
ありがとう」と。
実は、この入居者の方は普段はみんなの前で発言される
ような方ではないそうで、施設の方も、こんなにいきいきと
話されることに、びっくりされたそうです。
全くのサプライズで、部員全員で頭を下げました。
また、もう一人の方が、施設の方と私に近寄ってこられ、涙を流して、
「こんなに迫力ある、気持ちのこもった演奏は、聞いたことがない。
伝わるものがあって、泣いてしまった。本当に、部員の方にもよろしく。
全国大会で、みなさんのすてきな音楽が成功するように、この八千代
から祈っています。」と、固い握手をしてくださいました。
これこそが、山陽管弦楽の目指す音楽であることを。
上手・下手はもちろんだけど、音楽に込める魂が熱くないと
感動のある音楽は生まれない。いくらうまくても、熱意や伝えたい心がない音楽は価値がない。
山陽管弦楽の目指す原点であり、
部訓でもある、「一音入魂」の意味は
部訓でもある、「一音入魂」の意味は
ここにあるのだということを。
毎日、言い続けていることです。ですが、
演奏をさせていただいて、逆に私たちが
入居者の方から、たくさんのことを得させていただいた1日でした。
全国大会まで、あと1週間。
この八千代で得たものを、しっかりと胸に刻み、与えられた時間を
精一杯練習して、魂のある「カルメン」を、全国の高校生に聞かせたい。
部員とともに、再確認した顧問でした。